リハビリチーム

理学療法士の看取り経験

☆記事作成者プロフィール☆

性別:男性
年齢:30代後半
職種:理学療法士
PT歴:13年
訪看歴:6年

■ターミナルのリハビリで気を付けていること

普段のリハビリでもそうだが、ターミナルの方を担当させて頂く場合はよりいっそうご本人様、
ご家族様が今なにを思っているのか少しでも感じ取れるように、
表情であったり会話のトーンであったり、空気感のようなものは気にするようにしている。
また、発言には特に注意を払っている。
死を自覚している方たちに対して、他者が軽率な発言で傷つけてしまったり、
不快にさせてしまうことはあってはならないことだと思っている。

■初めてエンゼルケアを目の当たりにして

そもそもエンゼルケアに同行することがあるとは考えてもいなかった。
いつかリハビリで訪問した時に利用者様が亡くなっている場面に出くわすことはあるだろうとは覚悟しているが、
亡くなったと連絡が入ってから訪問することがあるとは思ってもみなかった。

ご家族様もその場にいて、どのような対応をしていいのか分からないし、
一所懸命に病気と闘っている利用者様の姿も見てきたため、正直行きたくなかったというのが本音。

これまでも関わってきた利用者様がお亡くなりになり、
その後ご焼香に伺うことは何度かあったがその度に泣いてしまう自分も情けないという想いもあった。

実際に訪問し、看護師がエンゼルケアを行いつつ、ご家族様に対しても穏やかに話しかけており、
このような場面でも冷静に対応できている姿をみて単純だが凄いなと思った。
訪問時には少し取り乱していたご家族様も落ち着いていくのがはっきりとわかった。

■看護師に対して見方が変わったことは

エンゼルケアの最中にマスクの中で鼻水を垂らしながら泣いていた私の醜態を否定することもなく、
ご家族様と一緒に泣いてあげることも大切だと話してくれた。
また、エンゼルケアやご焼香の際にはお疲れ様でしたと本人様を労うように見送るような気持ちでいると、
話していた看護師に対して一番苦しいときの本人様とご家族様のことを本当に理解して看護していたからこそ、
そういった気持ちになれるのだろうなと気づいた。
自分はまだまだ表面的な部分しか見えていないのかもしれないと思った。

■今後のリハビリの意気込み

あと数年で40歳になります。
いい歳のおじさんですので、どんな時でも泣かずに冷静に対応できるよう、
しっかりと知識とスキルを身につけ、利用者様に安心して在宅生活を送ってもらえるよう努力してまいります。

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