リハビリチーム

理学療法士と作業療法士の在宅リハビリでの関係性

理学療法士の平田です。
突然ですが、理学療法士と作業療法士と名前を聞いたときに、
何が違うか分かりますか?

理学療法士は「足の運動をする人」、作業療法士は「手の運動をする人」よく言われます。
さらに、訪問リハビリテーションのリハビリでは「どちらもやる事は同じではないですか?」と聞かれることも多いです。

今回は在宅リハビリにおいての、理学療法士作業療法士の位置づけと関係性についてお話していきます。

そもそも、理学療法士作業療法士は以下のように説明されています。

理学療法士(Physical Therapist:PT)は身体に障害がある人等の身体運動機能の回復や維持・向上を図り自立した日常生活が送れるよう、
運動指導や物理療法を行う専門職です。

作業療法士(Occupational Therapist:OT)は体や精神に障害のある人がその心身機能を回復し、日常生活・社会生活に復帰できるように、
食事、歯みがきなど日常生活の動作、家事、芸術活動、遊び、スポーツといった生活の中における作業や動作などを用いて訓練・指導・援助を行う専門職です。

(参考:引用 job tag 職業情報提供サイト 日本版O-NET)
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/167
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/168

簡単に説明すると、

理学療法士は「立つ」、「歩く」などの身体の運動機能に、

作業療法士は生活にかかわる「動作」や「作業」などの日常生活の動作などに着目し

日常生活の改善に関わっていきます。

例えば「一人で買い物に行きたい」という利用者様の場合・・・

理学療法士(PT)
→買い物に行くための歩行能力、移動手段、(関節の動き、筋力、歩行補助具)棚から物を取るときの立っている姿勢(立位姿勢、バランス能力)になど着目

作業療法士(OT)
→買い物する為に棚から物を取る動作が出来るか、商品を把持してかごに入れることが出来るか(応用動作)、金銭の管理(認知機能面)などに着目
このように、目指す目標は同じですが、それぞれ着目するポイントは異なります。

さらに作業療法士(OT)が専門とする分野は身体の障害だけではなく精神疾患の方も対象となり、高次脳機能障害や認知症、
うつ病や統合失調症などの精神疾患に対してのリハビリなども行います。
精神症状の状態や反応性を同事業所の看護師と共有、対応の相談や実際に看護師の介入を検討することも行っています。

※精神訪問看護指示書:精神科の主治医が訪問看護の必要性を認めた場合交付される、精神科用の訪問看護指示書
※看護師、作業療法士が精神疾患の方を訪問するためには、精神疾患を対象とした看護、
リバビリの実務を1年以上の経験又は「精神科訪問看護基本療養費算定要件研修」を履修する必要があります。

その為、作業療法士は心身共にリハビリを行うことが出来るスペシャリストです。

一個人の意見ですが、理学療法士と作業療法士の関係は建築家とデザイナーのような関係性だと考えます。

【建築家】は家の土台や骨組みなど、基礎的な部分を構築し安定性や機能性を確保します。

【デザイナー】は家の内部を美しく、機能的にデザインし、住まれる方のニーズに合わせます。

同様に

【理学療法士】は、身体的な機能と構造に焦点を当て、身体の安定性向上と動作能力獲得に努めます。

【作業療法士】は日常生活の活動(内部の機能)に焦点を当て、日常生活を遂行できるように、活動や環境の調整を行います。

家を建てる時に、建築家だけが関わっても骨組みだけの家となり、
生活しにくい家になってしまうかもしれません。
デザイナーだけでも、内装はいいかもしれませんが、
不安定な家が出来てしまうかもしれません。

リハビリも同じです。
理学療法士が身体機能訓練をするだけ、作業療法士が動作訓練行うだけでは、
ご利用者様によっては目標達成が難しくなるかもしれません。

在宅リハビリにおいて、
大切な事は利用者様やご家族様の日常生活をよりよく出来るようサポートしていくことだと考えます。
その為には理学療法士作業療法士、異なる焦点を持つ専門職が協力し、
利用者様の患者のニーズに合わせ総合的なリハビリを提供する事が
今後の在宅リハビリにおいて重要な鍵と考えます。

ミロク訪問看護ステーションでは現在、
産休中のスタッフも含めリハビリのスタッフが5名在籍しています。
ご利用者様の新規ご依頼や、利用者様の引継ぎだけではなく、
施設見学や面接のお申込み等も随時対応しています。

訪問看護に興味があるよ!という方など
お気軽にご連絡ください!お待ちしております★

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