飛行機に乗らなくても、お家の中でも「エコノミークラス症候群」になってしまうことがあるのはご存じですか??
新型コロナウイルス感染症が5類感染症に位置づけられるようになり、
全国旅行支援を活用して旅行されている方々も多くなってきているかもしれません。
旅行と言えば、飛行機や新幹線、自家用車などで長距離移動がつきものですが、その移動も旅行の楽しさの一つでもあります。
長距離移動の旅行をされる際に、「エコノミークラス症候群」という言葉を耳にすることがあると思います。
でも、実は「エコノミークラス症候群」はお家でも注意が必要なんですよ!!
エコノミークラス症候群って??
深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)という病気の総称です。
飛行機での長時間の移動や災害時の避難生活など、狭い空間で長時間過ごすことで発症することがあり、
エコノミークラス(飛行機の狭い席)症候群と呼ばれています。
高齢者は「閉じこもり」「座りっぱなし」にも注意
食事や水分を十分に取らないで長時間座っている、足を動かさないなどの状態が続くと血行が悪くなります。
そうすると、下肢に血の塊(血栓:けっせん)ができやすくなります。
発症すると、下肢が腫れたり青紫色や赤紫色になったり、痛みを感じます。
看護師は、ホーマンズ兆候(※)など、観察を行い、予防のために弾性包帯や加圧ストッキングの着用を進める場合もあります。
※ホーマンズ兆候→足関節の背屈により、下肢痛が出現する
血栓が流れて肺に詰まってしまうと、
急な呼吸困難や胸の痛みなどが起こる肺塞栓症(はいそくせんしょう)という重篤な病気になってしまいます。
多くの高齢者はこのような状態にあり、加えて外出の頻度が減ったり、家の中で一日を過ごしたりすることも多いと思います。
高齢者はこうした閉じこもろ、座りっぱなしの生活にも注意が必要です。
予防のために心がけて欲しいこと
エコノミークラス症候群は発症すると命に関わる可能性のある病気です。
そのために予防がとても大切になります。
(1)ときどき軽い体操やストレッチを行う
(2)こまめに水分補給をする
(3)アルコールやたばこを控える
(4)ゆったりとした服装にして、ベルトをきつく締めない
(5)足の運動をする→ ※下の絵を参考に!
(6)寝るときは足を少し高く上げておく
コロナ禍が過ぎたこれからの新しい生活にむけて
約3年間のステイホームを強いられ、閉じこもり、座りっぱなしの生活を送ってこられた高齢者の方はとても多かったと思います。
こうした生活が続いたことで、特に高齢者体力低下が増えています。
歩行などの日常生活動作、認知機能の低下だけてなく、エコノミークラス症候群の発症につながる危険もあります。
記事作成:真銅NS・松田NS